知っておくと安心!ベトナムから日本への一時帰国のステップ~帰国体験記2021~

こんにちは。廣済堂HRベトナムです。2021年8月現在、ベトナムではハノイ・ホーチミン・ダナンといった主要都市をはじめとする各地で首相指示第16号による社会隔離措置が取られ、経済活動や日常生活の制限もさることながら日に日に増え続ける新型コロナウイルス陽性反応者(感染者)状況で日本への一時帰国を検討されている方、あるいは決意された方も多いと聞きます。
今のように、自由な行動も制限されている中での帰国準備は骨の折れることが普段よりも多いのではないでしょうか。
そこで、今回は7月末に日本へ帰国されたSさんの体験記をもとに、帰国準備から日本入国後までのステップについてまとめました。少しでもみなさんのお役に立てば幸いです。
※この記事は2021年8月4日現在の情報に基づいて掲載しています。

帰国までのステップ

1.帰国決意・情報収取
2.航空券手配
3.PCR検査予約
4.タクシー・ハイヤーの手配
5.部屋の退去手続き
6.銀行・両替手続き
7.空港へ
8.入国手続き
9.自宅待機

1.帰国決意・情報収集

まずは帰国において、必要な手続きは何か、どうやって帰国するかの予備知識は必要です。
帰国時の再入国のことも考慮し、会社とも事前に話し合って無理のない帰国計画を立ててください。
在ベトナム日本大使館「日本医入国・再入国される皆さまへ」

2.航空券手配

日系航空会社に問い合わせたところ、今現在、日本国政府の指示により予約数(日本入国者数)の調整が日々なされているということで思い立ったらすぐ帰国!というのは若干無理があるようです。
また、日に日に状況は変化するので、帰国が決まったらすぐに航空券の手配を行うことをお勧めします。
現在ベトナム主要各都市からの直行便は日系航空会社は成田・羽田便のみ、そのほかシンガポール経由あるいは韓国経由で関空・セントレア便の利用も可能のようです。

3.PCR検査予約

さて航空券予約で帰国便が確定したら次はPCR検査の予約です。日本への全ての入国者は、当分の間、出国前72時間以内の検査証明書(PCR陰性証明書)が必要となります。また、発行される陰性証明書の記載事項が日本の厚生労働省が指定する記載事項に合致していなくては入国受け入れができないので注意が必要です。
今現在、大使館・領事館で確認されている要件を満たす書類発行が可能な病院・クリニックは以下となっています。
<ハノイ> 在ベトナム日本国大使館HPより
108病院
Hong Ngoc総合病院
Medlatec病院
ファミリー・メディカル・プラクティス(Family Medical Practice)
ラッフルズメディカルハノイクリニック(Raffles Medical Hanoi)
<ダナン>
ダナン疾病予防管理センター(Danang Disease Control Center)
ティエンニャン病院
<ホーチミン> 在ベトナム日本国総領事館HPより
175軍医病院
ラッフルズメディカルホーチミンクリニック(Raffles Medical HCMC Clinic)
ファミリー・メディカル・プラクティス(Family Medical Practice Ho Chi Minh City)

ビンメック国際総合病院(ホーチミン)Vinmec International General Hospital – Vinmec Central Parkは予約不要、料金も900,000VND程度と使い勝手がよさそうだったのですが7月29日現在Closeとなっていました。
そこでラッフルズクリニックを利用しましたが1週間前の予約が必要なので日にちに余裕をもって行動するといいと思います。

準備が必要なもの:パスポート、電子健康申告、予約フォーマット(各病院によって要確認)
検査結果:当日夕方から翌日夕方の間に電話かメールで通知。陰性証明書の受け取りは代理人でも可能だが基本受け取りに行く必要あり。

4.タクシー・ハイヤーの手配

ホーチミンは現在医療機関や空港送迎のタクシー営業が認められていますが台数は限られており、また1台当たりの乗車人数の制限もあるため、時間に余裕をもち、必要台数の確保をしましょう。

自宅のコンドミニアムの受付に頼んで電話でタクシーを呼んでもらいましたが、なかなか来ず。30分は見ておいた方がよさそうです。検問も問題なく通過できました。料金は通常運賃でした。

当日手配のタクシーは不安なのでハイヤーを事前予約したい、という場合はサービス提供を行っている旅行会社やハイヤー会社に問い合わせ、予約をしましょう。

私は家族3人での帰国だったので、LOGITEM VIETNAMさんにお願いしました。18:00 以降外出禁止令のため、16:30 までの利用でしたが、半日利用:16 人乗り 約 1,400,000VND、空港まで16 人乗り 660,000VNDでした。自宅からの距離に応じてにはなりますが荷物も多かったのでこれでちょうどよかったと思いました。
ドライバーは 3 日ごとに PCR 検査を実施されているとのことで安心できました。

5.部屋の退去手続き(必要な場合)

入居中の部屋をそのままにしていく場合、オーナーさんあるいは不動産会社に連絡し、家賃や光熱費等のデポジットの確認をしましょう。光熱費滞納で電気が止められ、帰国したら冷蔵庫が大変なことになっていた…という話は以前から東南アジアあるあるとしてよく聞く話です。
また、帰国のタイミングでいったん退去、という場合は鍵の返却や退去時のオーナーチェックなど、万が一外出規制で立ち合いができないと言われた場合の鍵の扱いについてあらかじめ確認しておくことをお勧めします。

退去当日、急にオーナーも不動産会社のスタッフも部屋のチェックに来れない(行きたくない)と言われ、コンドの受付に鍵を託そうとしてもカンパニーポリシーで受け取れないと言われ途方にくれました。最後の最後まで何があるかわからないのがベトナム。事前の確認は最低限しておいた方がよさそうです(確認していても覆されますけど)。

6.銀行・両替手続き

ベトナムでは国外への外貨・ベトナムドンの持ち出しは空港での税関申告が必要となります(5,000USD相当もしくは15,000,000VND以上)。詳しくは下記を参照ください。
在ベトナム日本国大使館 外貨申告
また、社会隔離中のホーチミンではベンタイン市場やドンコイ通りの両替所は軒並みクローズでホテルも宿泊客のみの対応となっています。
Vietcombankといったローカルの銀行では現金の両替は受け付けてもらえず(現金の出所が証明できないため)、自身の口座からの外貨両替のみとなっています。

羽田空港の Travelex Japan で VND→円 レート 0.0033(8/1時点)。みずほ銀行では両替できませんでした。

7.空港へ

日本へは夜便が多い中、夜間外出禁止令はこんなところにも影響してきます。送迎ドライバーの帰宅時間を考慮し、空港には17:00には到着せねばならず、節電対策なのか空港内は薄暗く、空調も一部を除き停止されている模様です。
両替所や売店・レストランもクローズしているので搭乗までの軽食や飲み物は持参したほうが無難です。搭乗口には冷水器があり、空調も効いていますが、長時間ベンチで過ごすことになるので上着や時間をつぶす対策を取ったほうがよさそうです。


チェックインではパスポート、チケット控えの他、陰性証明書を提示します。預入荷物の多い乗客が多いため、いつもよりチェックインには時間がかかるようです。
もし、預入荷物の超過分がある場合は
1.チェックインカウンターで請求書をもらう
2.ベトナム航空カウンターで支払い(VND 現金のみ)
3.チェックイ ンカウンターでパスポートと引き換え。
といった流れで預入完了です。
チェックイン後、出国審査と保安検査へと進みます。これらの手続きは通常通りですが、出国審査後に再度、手荷物を開けて中身のチェックがあるようです。

興味深いことに、座席は8割がた埋まっており、ほとんどがベトナム人のトランジット利用でした。羽田到着後、先にトランジット客が降ろされたのですが、残った日本人はごくわずかでした。

8.入国手続き

無事に空の旅を終え、飛行機が着陸すると、まずはトランジット客から降りるよう案内があり、しばらく待機となります。日系航空会社の機内では誓約書とチェックリストが配布されます。記入が済んでいない場合はここで完了しましょう。
また、日本国内で14日間の自宅待機期間中誓約書の記載事項の実施のため、厚生労働省指定のアプリのダウンロードが必要となります。
健康居所確認アプリ(MySOS)はじめ3種のアプリダウンロードについて


その後、飛行機を降りると複数個所での書類・アプリチェックを受けます。
事前のアプリダウンロードや誓約書の記入、チェックリストの回答を済ませておくとその後のチェックがスムーズに進みますが通常は2~3時間程度は見ておく必要があるようです。
日本到着後の各種案内は係員の丁寧かつ親切な誘導でストレスフリーだと数名の帰国された方からも聞きます。日本に帰ってきたな、と感じる瞬間ではないでしょうか。

飛行機を降りてから、まるでスタンプラリーのように、はい、あちらへ、次はこちらへ、と流れ作業で進んでいき、最後に、はい、終了です。と荷物受け取りでした。
係員の方々は丁寧なので何も心配することはありませんでしたよ。

子ども連れの入国の場合
14歳未満の子どもは誓約書の記入のみで上記アプリのインストールは不要とのことです。また、入国時のPCR検査は唾液による検査なので負担も少なく済むようです。

9.自宅待機

たとえ空港検査で陰性となっても、各種公共交通機関の利用はいまだ不可となっているため、レンタカーもしくは家族の迎えなど各自で手配した移動手段で14日間の自主待機場所へと向かいます。
ベトナム国内の自宅隔離とは異なり、食料品の買い出し等に短時間近隣への外出は可能のようです。
1日に数回、インストールしたMySOSアプリでの居所・安否確認が入るほかはさほどの不快さもなく、待期期間を過ごすこととなるようです。
もちろんこの点については個人差はあると思われますが、みなさん一様に気持ちがほっとされることが多いようです。

私自身、帰国前はとにかく無事に家族を連れて戻ることで気が張り詰めていましたが、今は実家近くの待機用宿泊施設で心配事から解放されてほっとした気分になっています。

番外編:海外在留邦人向けコロナウイルスワクチン接種について

2021年8月1日より、日本国内に住民票を持たない海外在留邦人等への日本に一時帰国し、空港(成田・羽田のみ対応)でのコロナウイルスワクチン接種対応が始まりました。
外務省海外安全ホームページ
予約サイトはこちら

8月5日今日現在、ベトナム国内でも外国人専門家を対象としたコロナウイルスワクチン接種が始まっているようですが、地域・施設による裁量に委ねられる部分が大きく、接種時期やワクチンの種類など不確定な要素が残っています。
ベトナム在住者向けコロナウイルスワクチン接種について

また、8月4日ベトナム保健省より、Covid-19ワクチン接種済み入国者における集中隔離期間の短縮についての発表がされました。
これによると「条件を満たした入国者は7日間の集中隔離とその後、継続的な7日間の健康観察の措置を適用する。」となり、現在の21日間集中隔離から大幅に期間短縮となり、日越の往来再活性化が期待されます。

ベトナム海外転職に足踏みされていた方にとっても明るい兆しとなることを祈りたいですね!

今回ご帰国されたSさんによると、帰国準備で一番ご苦労されたのは航空券予約だったそうです。また、予約後は急なロックダウン等で出国ができなくなったらどうしよう…という不安やコロナウイルスに感染していないだろうか?など心配の中でまださほど帰国者の情報が少ない中手探りで帰国準備を進められたことも精神的に負荷になってしまったようです。
今回、情報提供にあたっては少しでもそういった不安を今後帰国される方が感じないように、というご好意にていただきました。
したがって、ここに記載している情報がすべてというわけではなく、また今後変更されることもございます。
あくまでも参考としてご覧いただき、最新情報については案内のリンク等でご確認いただくことをお願いいたします。

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