二度のベトナム移住経験者が語る。「日本で悩んでいても答えは出ない。一度ベトナムを体験してほしい」

 経済成長真っ只中のベトナム。フランスと中国の影響を受けた文化をもち、つい50年前まではベトナム戦争が行われていた国でもあります。そんな国に新卒で移住し、一度日本に帰国して再度ベトナム移住をした女性に話を聞きました。海外生活の難しさも知りながら二度目のベトナム移住をした今何を考えるのでしょうか。

プロフィール

Mさん (20代女性)
大学卒業後ベトナムの旅行会社で約二年勤務
日本に帰国後日本で約三年勤務
ベトナムの現地採用として就職
~現在

 元々は旅行好きな大学生でした。

Q.ベトナムに移住するきっかけを教えてください。

私は新卒のときにベトナムで就職しました。大学時代は旅行することが好きで多くの国へ行きました。大学の専攻も観光関連で旅行について学んでいました。このときは海外で就職することなどまったく考えていなくて、大学三年の時期には周りの人と同じように就活を始めました。しばらくして就活に疲れていた時期に気分転換でカンボジアに旅行に行くことになり、カンボジアで働く日本人の方に会ってお話させてもらう機会がありました。そのときのことがきっかけで海外就職する選択肢が生まれました。就活していく中で日本で就職することに違和感があったので海外の人々が楽しそうに過ごしているのをみたときに、海外で就職したいという気持ちが大きくなりました。

ベトナム移住の決断はすぐにはできませんでした。

Q.その後の就職活動はどうされたのですか?

日本に帰った後、就職サイトで海外就職について検索しました。そのときにヒットした一社に直接問い合わせをしてインターンに一ヶ月間参加することにしました。この一ヶ月間のインターンの経験が移住を決める大きなポイントになりました。

Q.インターンのどんなところがポイントだったのですか? 

そのインターンでは自分がベトナムで生活できる環境なのかどうか、仕事内容や生活水準などを確かめる良い機会になりました。

 Q.最終的に決断をしたのはいつだったんですか?

インターンに行ったあとすぐに決断できませんでした。経済面や待遇面について日本と比べてしまうと良いことばかりではなく、その待遇で暮らしていけるのか、将来はどうなるのかという不安がありました。でも結局は今考えている色々な不安も行ってみないとわからないし、行ける機会のある今行くしかないと考えて決断しました。

 Q.その決断について周りはなにも言わなかったのですか?

もちろん言われました。日本でしばらく働いてからでもいいんじゃない?とか。でも私は働いてある程度のキャリアを積んでからだとそのキャリアを捨てて海外に行くことができないと思いました。なので新卒のタイミングでベトナムに行く決断をしました。

 移住後の生活の中で不安が出てきました。

Q.ベトナムではどんなお仕事をされていたのですか?

ベトナムでは現地の旅行会社に勤めていました。日本人の方に接客や営業をする仕事で、仕事相手は日本人だったので言語で困ることはありませんでした。ベトナムでの生活もインターンで一ヶ月間滞在した経験があったので、日本とのギャップに悩まされることもありませんでした。

 Q.お話を聞いていると生活に困っていないように思うのですが、どうして日本に帰ることになったのですか?

ベトナム来てから一年ほど経った時期から経済面について考えるようになりました。このままこの会社で働いていって、将来生活していけるのか、どんな生活を送ることになるのかと考え、不安が大きくなりその会社を辞めて日本に帰ることにしました。就職の時点で経済面では余裕がなくなるだろうということはわかっていましたが、新卒で選択肢が少なかったことや一社しか受けていなかったこともありこのような結果になってしまいました。もっと多くの会社を比較して決める必要があったと思いました。

ベトナムでの生活のほうが楽しいと思いました。

Q.どうしてまたベトナムで生活したいと思ったんですか?

日本に帰ったあとしばらくしてベトナムの生活が恋しくなりました。生活を比較したときにベトナムで生活しているほうが楽しかったからです。仕事に関しては日系の会社で働く以上、取引先は日本人を相手にすることが多いと思ったので、環境に大きな変化がないのであればベトナムでの生活を選びたいと思いました。

 Q.もう一度ベトナムに行くことに抵抗はなかったですか?

日本に帰るきっかけとなったのは会社の待遇についてだったので、ベトナム自体に悪いイメージはありませんでした。またベトナムでの生活は楽しかったので不満はありませんでした。もちろん会社を選ぶときにはお給料や待遇に関してしっかりと調べた上で就職しました。

 Q.どんな仕事を選んだんですか?

元々は事務の職を希望していたのですが人材紹介会社から前の仕事の経験を生かしてはどうかというアドバイスを頂き、今は営業の仕事をしています。日本にいる間もベトナムに触れる機会を作っていたことは良かったと思います。

 Q. 二度目の就職活動では前回の経験は生かされましたか?

一度ベトナムで生活した経験がとても役立ちました。自分が生活でどれほどお金を使うのかがわかっていたので、貯金や税金などを計算することができました。

 Q.ベトナムでは働く上で男女の差など感じることはありますか?

とくに男か女かは関係ないと思います。女性のマネージャーさんがいることが普通なので日本ほど男女に差は感じないです。

今の生活は充実しています。

Q.ベトナムでの生活は楽しいですか?

ベトナムの生活は私にとって日本の生活よりも楽しいです。それがずっとベトナムで生活している理由だと思います。趣味はバイクに乗ることです。バイクに乗って遠出することが楽しいです。週末はバイクに乗ってカフェに行ったり友達とゴハンに行って過ごしています。ベトナムのローカルを感じることが好きなのでお金がたくさんかかることもないです。ベトナムには親日家が多く、生活していて危険な目にあったことはありません。ある程度注意していれば女性一人で生活していても特に危ないことはないです。

Q.これまでの経験からベトナムの生活に向いているのはどんな人だと思いますか?

柔軟に物事を見れる人が向いていると思います。こだわりや自分の考えに固執している人は向いていないかもしれません。さらにある程度の図々しさも必要かもしれません。例えばベトナムではエレベーターなどで降りる人が先というルールはありません。もし降りるのを待たずに乗ってきたときに、そのことについて怒らず受け入れて、さらにそれに負けないように図々しく入っていくようなバイタリティがベトナム生活には必要なのかなと思います。

私自身ベトナムで生活している中でいろんな人がいることを知って、よりいろいろなことを許容できるようになりました。なのでベトナムに来てからでも変わることはできると思います。

しばらくはベトナムにいようと思います。

Q.これからについてはどう考えていますか?

いつまでベトナムにいて、その後どうするなどの計画は立てていないです。日本に帰りたくなったら帰ろうかなって考えてます。私の場合はいつまでという期限を決めてしまうと今を楽しめない気がして。。ホーチミンに住んでいて不便なことは特になくて日本との距離もあまり感じていないです。五時間ぐらい移動した日本の郊外に住んでいる感覚です。

 Q.これから来る人に向けてメッセージはありますか?

移住について色々悩んでいる人も多いと思います。ですが気になっているならば来てみたほうがいいのではないでしょうか。これはできてこれはできないんだということが実際に体験してわかると思います。準備などベトナムでできることも多いのでまずは意思をもってベトナムに来てみてください!

最後に今回のインタビューで一番印象に残ったことはMさんが一貫して「今行くべき、行かないとわからない、不安なら来てみればいい」と海外移住に関してその当時の気持ちを大切にして前向きだったことです。もちろん海外移住にはたくさんのハードルがあってなかなか決断することは難しいと思います。でもその決断のためには海外生活の正しい知識が必要になってくると思います。Mさんはインターンでの経験、一回目の移住の経験から自分にあった会社や生活の選択をしました。ベトナム移住にかかるお金や生活水準などは実際に生活してみないとわからない部分だと思います。まだベトナムに来たことがなく日本で悩んでいるのなら、短くてもいいのでベトナムに住んでみて判断しても遅くはないのではないでしょうか。
(廣済堂HRベトナム・取材チーム「担当O」執筆)

参考サイト

ベトナムでの交通ルールは?
これがバイク天国ベトナムだ!日本人が驚くホーチミンの交通事情!https://www.ever-rise.co.jp/offshore-blog/vietnam-traffic.html

ベトナムの治安は安全と言ってもある程度の注意が必要!
「外務省海外安全ホームページ」https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_015.html

30日ルール廃止によりベトナム再入国が楽になります。「VIET JO」https://www.viet-jo.com/news/law/191127170109.html

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